2019年一番オススメしたいエンタメ小説「たそがれダンサーズ」の感想。そして2020年も
2019年一番オススメしたいエンタメ小説「たそがれダンサーズ」の感想。そして2020年も
最近あまり本を読まなくなりました。
それでも数冊は読み、中でも2019年一番良かったのが桂望実先生の「たそがれダンサーズ」と言うエンタメ小説でした。
本を読んでその本の感想またはPRを書く企画があったので応募して読んだ小説ですが、それでも僕の中で一番良かった、または感動した作品でした。
仕事の休憩時間、また仕事が終わって自分の時間や妻の病院の待ち時間に少しずつ読みました。
この作品は登場人物にとても感情移入できるものでした。
ダンサーズと言うタイトル通り社交ダンスですが、何気なく始めた社交ダンスにいつしか熱が入りおじさんたちが奮闘していきます。
ダンスだけでなく、仕事のことや家庭の事などそれぞれのおじさんたちの物語が面白いです。悲しい過去もあり、僕らが日常で見かけるよくある光景、よくよく考えるとジワジワくる笑えるシーンもありました。
一人、一番親近感の湧いたおじさんがいまして、家族に社交ダンスをしているのがバレるのが嫌だから釣り道具を持って出かけ近所の友達の家に道具を置いて社交ダンスに出かけるんです。
実はこれ、僕にも似たような経験があるからなんです。
ブログのタイトルにあるように僕の妻は重度精神障害者です。
当時、3.11で僕は職を失いました。
職探しをしましたが、家にはあまり居ませんでした。妻が心配して悪化するのを恐れたんです。
そこで朝、スーツを着てカバンを持って出掛け、夕方帰宅していました。その間ネカフェで時間を潰していました。
僕のことはさておき、出だしからいきなり親近感の湧くおじさん。
それ以外にも趣味を探して参加するおじさん、運動不足解消のために参加するおじさん、女性の目当てで始めるおじさん(笑)
全く違うタイプのおじさんたちが徐々に社交ダンスに目覚めていく様子、とくに始めてのダンス披露のシーンが好きです。これがただのダンスじゃなくてサラリーマンの動作を入れたユーモアのあるダンスでした。
あの場面、映像化されたら絶対面白いだろうなぁ。なんて思いました。
歳をとっても遅いことはないんだな。もちろん、若いうちに始めることで可能性は広がるがしれませんが、僕がおじさんになってもまだまだやりたいことはできるんだと希望を持てたのと、安心感もありました。
親近感が湧いた他に、きっと読んでいて誰もが、「こういう人いるいる」と思うシーンがいくつかありました。
嫌みなシーンだったり、笑えるシーンだったり、きっと登場人物と同じ世代なら間違いなく共感し、笑ってしまうでしょう。
たそがれダンサーズもドラマ化、映画化されることを願います。
2019年オススメの小説ですが2020年、それ以降も定期的に読みたい作品でした。